文書作成日:2019/09/15


 働き方改革が推し進められており、その中の一つ“時間外労働の上限規制”は、今年4月1日から施行されています。長時間労働の実態が問題視されている医師は、その適用が5年間猶予されているものの、医師をはじめとした医療従事者の労働時間短縮を促進させるため、一定の設備投資について新たな減税措置が設けられました。
 今回は、この減税措置の概要と対象資産について、確認しましょう。


1.制度の概要

 医療保険業を営む青色申告者(法人又は個人)が、一定の期間内に、医師等の労働時間短縮に資する一定の設備(以下、対象設備)を取得して医療保険業の用に供した場合には、当該設備に係る減価償却費として、普通償却費の他に取得価額の15%の特別償却費の計上が認められます。この場合の法人とは、連結親法人又は当該連結親法人による連結完全支配関係にある連結子法人を含みます。

2.対象期間

 平成31年4月1日から令和3年3月31日までに取得等したもので、同期間内に医療保険業の用に供した場合に、適用することができます。

3.対象設備

 医療勤務環境改善センターの助言の下作成した「医師等勤務時間短縮計画」に基づき取得した、次の器具・備品(医療用機器含む)又はソフトウェアで、取得価額が30万円以上のものが、対象設備となります。

 なお、上記類型で明示していない設備等は、勤務時間短縮用設備等の製造メーカー又は販売会社が、パンフレットや仕様書において医師等医療従事者の労働時間削減につながるような性能として、従来の製品より3%以上の効率化を謳っていることが要件となります。


 この減税措置を適用する場合の留意点は、次のとおりです。

1.医療勤務環境改善センターの確認が必要

 「医師等勤務時間短縮計画」については、先述のとおり医療勤務環境改善センターの助言の下作成することが必須です。この場合、最終的には同センターの確認を受けなければなりません。

2.申告の際には計画書の添付が必要

 「医師等勤務時間短縮計画」の写しを申告の際に添付しなければなりません。

3.フォローアップの提出が必要

 計画書に基づき設備を導入して供用した場合には、半年後に医療勤務環境改善センターへ「医師等勤務時間短縮計画報告書」を提出します。

中古は対象外

 対象設備は“新品”の取得等に限られ、“中古”は対象外となります。

従来からの「医療用機器等の特別償却」との併用は不可

 対象設備の中には、取得価額の12%を特別償却費とすることができる従来からの「医療用機器等の特別償却」の対象となる設備もあります。
 この場合、併用して適用することはできません。いずれを適用するかは事業者側の選択となります。

 この設備投資減税は、直接的な勤怠管理システムだけでなく、医療機器に関しても一部対象となるものがあります。適用を受けるには手続きが煩雑ではあるものの、制度を上手く利用しながら、設備投資と勤務環境の改善に努めていきましょう。


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